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5話 湯気の中に咲いたファーストキス

Author: みみっく
last update Last Updated: 2025-12-10 12:39:54

「思い出したの……庇ってくれた最後のお礼よ……」

 クラリスは、少し照れたような、それでいて決意を秘めた声で呟いた。

 次の瞬間、彼女は水面を揺らさないよう静かに、しかし素早く顔だけを後ろに振り向かせた。そして、ユウの驚いた表情を視界に捉えると、柔らかいクラリスの唇が、ユウの唇にそっと重ねられた。

『ちゅっ』

 湯気の満ちる浴室に、可愛らしい、水滴が弾けるようなリップ音が響いた。触れ合ったのは一瞬で、クラリスはすぐに顔を離した。

「お礼よ……変な意味じゃないんだから……!」

 そう言い放つクラリスの顔は、湯船の温かさのせいか、あるいは極度の羞恥心のせいか、真っ赤に染まっていた。琥珀色の瞳は潤み、その目元は潤いのせいでどこか幼さが残るものの、今の仕草と合わさり、抗いがたいほどの色っぽさを帯びていた。クラリスは、すぐにまた背中をユウに向け、心臓の鼓動を聞かれないように必死で耳を澄ませていた。

「あ、ありがと……な、クラリス」

 ユウは、突然の出来事に驚きながらも、頬を熱く染め、か細い声で礼を言った。唇に残るクラリスの柔らかな感触が、彼の心を強く揺さぶっていた。

「貴重なファーストキスなのよ、感謝しなさいよ!」

 クラリスは背中を向けたまま、少し上ずった声で勝ち誇ったように言った。その声の震えは、彼女自身も尋常ではないほど動揺していることを示していた。

(あぁ、知ってる……クラリスは村一番の金持ちで、こんなに可愛らしい容姿をしているんだ。当然、近づこうとする男子は多いけど……クラリスは誰に対してもガードが固くて、親しげに話をしているところを一度も見たことがないし)

 ユウは、彼女の言葉の意味を理解し、改めて自分の胸の高鳴りを感じていた。彼女にとって、これは本当に初めての行為だったのだろう。

「……ユウも、わたしを抱きしめなさいよ!ファーストキスの……お返しは必要じゃないかしら……」

 クラリスは、湯気に隠れるようにしてユウに寄り添いながら、囁くような声で要求した。その声には、我儘な響きと、彼に強く抱きしめられたいという切実な願いが入り混じっていた。背中越しに伝わる彼女の体温が、ユウの理性を揺さぶるように熱を帯びていた。

(は? え? 抱きしめるって……服を着た状態でも抱きしめたことなんか……数えるほどしかないのに、裸同士で抱きしめるのか? いいのか? いや、クラリスに命令されて断れるわけないしな。でも……今は、不味いんだけど……息子が大きくなってるし)

 ユウは、湯の中で身動きが取れない状態に陥り、内心で激しく葛藤した。自分の身体の変化を、どうごまかせばいいのか分からなかった。

「いや、不味いんじゃないか?」

 ユウは、絞り出すような声で言った。

「……イヤなの?」

 クラリスが、背中越しに、か細く不安そうな声で聞き返してきた。その声は、いつもの自信に満ちた彼女からは想像もできないほど弱々しく、拒絶されることを恐れているのがありありと伝わってきた。

「イヤとかじゃなくて……その、興奮してアソコが大きくなってるから……だっての!」

 ユウは、観念して小声で正直に打ち明けた。顔から火が出そうなくらい熱くなっているのを感じた。

「……そんなの知ってるわよ……ちらちら見えてるもの……」

 クラリスは、少し間を置いてから、今度は囁くような声で言った。

「気にしないわ。早くしなさいよ!早く抱きしめて終わらせないと、長湯だって怪しまれちゃうじゃないの!」

 彼女は、焦りを滲ませた命令口調で急かした。その声には、恥ずかしさを押し殺してでもユウに触れられたいという、強い願望が込められていた。

 ユウが依然として戸惑い、どう動くべきか決めかねていると、クラリスは痺れを切らしたように、自ら背中をグイッとユウの胸元へと押し付けてきた。

 その瞬間、ユウの硬くなった身体の『息子』の部分が、柔らかで滑らかなクラリスのお尻に強く押し付けられた。予想外の接触に、ユウの全身にビリビリと電気が走ったかのような、激しい快感が駆け巡り、彼の身体はブルッと大きく震えた。

 湯気の向こうで、ユウの胸に背中を預けたクラリスの体温が熱く感じられた。彼女の身体からは、緊張と興奮が入り混じった微かな震えが伝わってきていた。

 ユウは、もはや拒否する理由がどこにもないことを悟った。自分の興奮がクラリスに知られてしまっていること、そして何よりも、可愛らしいクラリスの方から「抱きしめて」と強く要求されているのだ。

 彼は、意を決してクラリスの柔らかな腹部に腕を回し、彼女の小さな身体をしっかりと抱きしめた。そして、湯気で濡れたクラリスの肩に自分の顔をそっと乗せ、そのまま彼女の頬に優しく唇を押し付けた。

 クラリスは、ユウの抱擁とキスに「ビクッ」と可愛らしく体を震わせた。しかし、すぐにその震えは甘い期待へと変わり、彼女はユウのキスに応えるように顔を上げ、唇を重ねてきた。

「ひゃっ。ふぁぁ……んっ……」

 クラリスの口から甘い吐息が漏れ、彼女はユウの唇に吸い付いた。浴室には『ちゅぷ、ちゅぷ』と小さく濡れたリップ音が鳴り響く。

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